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トータルフィットのHOTホッとレポート
更新日:2010.06.01(火)
【vol.19】
幸福な人生のサポート
心身健康づくり研究会2010年最初の勉強会が京都にて開催されました。高齢者に安全に運動を提供するための基礎知識~応用編~と題して、理学療法士の藤原聡先生にご指導いただきました。
前半は、昨年の~基礎編~の中から本日の内容に応じた分をピックアップして復習してくださいました。高齢者の現状、運動機能の特徴(筋力・柔軟性)、生理機能の特徴(骨密度など)。
筋力低下の要因や筋力・柔軟性の推移は日頃の指導でのちょっとした会話に盛り込むことで、参加者のモチベーションを上げるために役立つのでぜひ取り入れようと思います。
後半は高齢者におこりやすい整形外科的疾患の中から①肩(肩関節周囲炎、いわゆる五十肩)②腰痛③膝痛(変形性膝関節症)について教えていただきました。
まずは、肩関節周囲炎。他の障害と違い、勝手になって勝手に治ることが多いこと。疼痛が主体となる急性期、拘縮が主体となる亜急性期、慢性期の3段階があり、動かしたら痛い、安静でも痛い、夜間も痛い急性期は動かさないことが基本である。負担を減らすような工夫をし、冷やすこと。
安静時の痛みや夜間の痛みは軽減するが、拘縮のため可動域制限が残る。それを超えて動かそうとすると運動時痛が起きる。
積極的に動かすのではなく、拘縮を避けるために軽く動かすことが適切であること。つまり痛いのに鍛えるのではなく、鍛えるのは痛みが出ないための予防としてふさわしく、治療としてはふさわしくない。拘縮を防ぐことで、後々の可動域制限やそれにともなういつまでも残る運動痛の予防となることがわかりました。
集団指導では難しいですが「とにかく動かすこと」が正しいとは限らないことを肝に銘じたいです。
次に、腰痛。負担がかかるのはもともと動きの少ない仙腸関節であること。立っている時に必要な抗重力筋、それぞれが骨盤の前傾後傾にどう影響があるのか、腹筋背筋の役割とそれぞれの加齢による弱り方の違い、腰椎骨盤リズム(どこがどう固いかでの違い)代表的な腰痛のしくみを学びました。
正しい立ち方、座り方については、もともと知っていましたが、解剖学的な説明も追加して知ることができ大変有意義でした。
そして、変形性膝関節症。他の障害と違い、痛みが出ている段階から運動は必要であること。(もちろん痛みが大変強く、熱を持ち、腫れているときは禁忌です)
症状に合わせて運動の種類を選択(加重を調整する)しながら筋力をつけること、可動域制限を防ぐこと、肥満を防ぐこと、靴や靴紐の大切さなどを学びました。
知識+運動の注意点はもちろんのこと運動指導者としての心構えまで、明日からの集団指導にすぐ使える内容をわかりやすく伺うことができました。疾患を知り、痛みを無視せず、幸福な人生のサポートとなることを忘れず、適切な指導や助言をできるようになろうという藤原先生のお考えにとても共感させていただきました。
余談の中の情報もためになり楽しく向上心溢れる2時間となりました。自身の知識を増やす以外にも、明日からの指導に情熱を注げる刺激をいただくことができました。
内容:心身健康づくり研究会 勉強会
実施日:2010年3月14日(日)
会場:京都
レポート:園田幸子
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