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梅田陽子のマインドボディ便り
更新日:2010.09.01(水)
【第13話】
ルーツ
今年で50歳になります。あっご存じない方もおられたのに、暴露してしまった!!!まあいいや。
幼い頃から進化を取り上げたテレビ番組が好きで、「原始人の世界」みたいな題をテレビ欄の端っこにあるのに目ざとく見つけ、恐竜とか化石とか、ヒトの進化論を扱ったCG映像となると瞬きせずに息を呑み凝視していました。
京大に入ったころには「霊長類研究所」があるらしいことをすぐに嗅ぎつけ、犬山市というところにある?何でサルなのにイヌなんや?とつまらないことに引っかかりながら、1泊2日で「見学」に出かけました。
算数のできるアイの賢さより、体のデカさに息を飲み、サル山ならぬチンパンジー山から、客ではないからいいのかどうか、見学者目がけて石を投げるアキラ(アイの旦那)の速球を避けながら、博物館のにおいのする河原の石のようなサルの足の骨をジグソーパズルのように組み立て、よくわかりませんがヒトがどうやってヒトになったのか?それの起源に本当にサルがいるのかは半信半疑で、とりあえず顔かたちが近い霊長類がどうやって進化してきたのかに興味津々で2日間を過ごしました。
もし50年後に平均寿命が100歳になっていたら、ちょうど今年が折り返し地点。肉体的なエネルギーに満ち溢れた0→50歳までの今までとは違う、これからあるかもしれない50年をどうやって生きていこうか。
ヒトは億の単位で形態的な進化を遂げるけれど、私という一人の人間だって別の意味で進化する。
京都府宇治田原町。今年のお盆に多分はじめてじっくり見た、数基の梅田本家の墓石。よく分からないけれど愛おしいような懐かしいような、50歳になる前だからか?そんな気分でした。
梅田とは北陸の殿様についていた家来の名。だから北陸~日本海側に梅田姓が多い。とは祖父の兄の嫁の弟の息子の・・・遠い親戚が話してくれました。私が知りたそうな表情をしていたらしい。
そういえば墓参り後の会食は、すき焼きなべが4つ。上座のおじいちゃんたちは、「アニキ」とか「○○ちゃん」と呼び合っていますが、私らはとりあえず同じ鍋を突っついているけど誰だかさっぱり分からない。わかるのはみんな「うめださん」でみんな血がつながっているっていうことだけ。
はじめましての取引先相手のように、たまたまグループになったツアー客同士のように、気を遣いながら、しかし断りなく自分の味覚で鍋にしょうゆや砂糖を入れて、直箸で突っつくおかしな光景でした。街で会っても絶対わからないだろうな。でも同じ遺伝子を受け継いでいる親族。近いけど遠い、遠いけど近い。これがつながりっていうのかなあ。
とりあえず仕事は梅田陽子。これは旧姓で本名は18年前から塩崎になりました。だから私は本当は塩崎陽子と申します。「自殺予防の研究班」に入るようになって研究フィールドの秋田県に行くようになったとき、秋田は塩崎の祖父の出身地、そして主人が弟のように可愛がる従弟が結婚して住む村がある。
だから、その秋田に足を踏み入れることだけで何となく近づけたような気分になりうれしかった。この田んぼがいっぱいの広い広い秋田県の、いくつか合併してできたたくさんの市の、その中のいっぱいある町の、そこにある村々のひとつに入った。
そう広い広い秋田県のピンポイントで2つの村に行った。気がついたら、そのひとつは祖父の村で、もうひとつは従弟の村だった。
一人の保健師さんは私より、主人より、ずっと祖父の親族を知っていた。もうひとつの村の保健師さんも従弟の嫁の家族と大の仲良しだった。なんで?こんな偶然があるのでしょうか?広い広い秋田県の山ほどある集落。その中のたった2つの村に「塩崎」が居る。
どうして私はその村めがけて進み、どうして塩崎家の歴史を知っている保健師さんと出会うのか?これが必然というのでしょうか?よくわかりません。
考えても考えても不思議でならないと実弟に話したら、「姉ちゃんは梅田ではなく、塩崎になるために生まれてきたんやで。」とあっさり言われました。うちの弟ってそんな奴。納得したら、今度は塩崎のルーツが気になりだした。
あと50年生きられたら、そのとき私はどこに帰るのだろう?その時に「ただいま」って帰れるようになりたいから、でもどこに帰るのかは知らないしよく分からないけれど、そのときのために、私は自分ってどこから来たのか?それを探すエネルギーがこれから強くなるような気がします。
梅田 陽子
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