1. ●トップページ
  2.  > 
  3. 【コラム】梅田陽子のマインドボディ便り

梅田陽子のマインドボディ便り

更新日:2013.12.09(月)

【第31話】
全国産業安全衛生大会を終えて -3-
昨年度の取組報告~就業中の短時間運動の心身への効果~

「わが社ではその名称は使えません」とか「そう伝えただけで私には関係ないと社員に言われ困っている」など、「メンタルヘルスセミナー」と聞いただけで、気分が重たくなる社員が多いため、そのように表現できないという担当の方の声を時々聞きます。何らかの原因があってそうなったのでしょうが、意図した訳でもなく、担当者にとっては好まざる状況ではないでしょうか?

雇用される側にとっては、「健康問題が原因で不利益を生じることはない」と説明されても、雇用に不安を抱えるこの時代としては懐疑的に捉えてしまうこともしばしばあります。また、少しずつ心の病は市民権を得てきたとはいえ、だれもが正しく理解しているとはまだまだ言えないでしょう。管理職からは、自分たちが若いころには「心の病」を自身でケアする研修や、管理監督者がリスクマネジメントとして受けるなど考えられなかったのに、自分が管理者になった途端「部下の気持ちを受けとめよ」と言われても「甘やかし」ではないのか?という意見には理解できる面もあるでしょう。

今回の大会発表では、メンタルと前面に出さない「マスキング」効果をご説明しました。 マスキングとは、本来の目的に対し代替えを利用して覆い隠すという意味で今回用いました。主催者としては、メンタルヘルス対策として事業を実施したいのですが、始める前から内容に関係なく名称で過敏に反応され、参加者確保に難儀する事態がおこることがあり、これは改善したいものです。そこで、主目的である「こころ」をあえて出さず、「からだ」を前面に出してマスキングする方法はいかがでしょうか?。体から心へアプローチすることも立派なメンタルヘルス対策です。

例えば気になる部下がいて、声をかけたいのだけれど、「気持ちはどう?」と急に心に入っていくのは躊躇します。そこで仕事でなく天気や趣味の話題などを持ちかけるのですが深く聞けず話が終わってしまい、肝心な気持ちの変動まで流れを作ることができず「何を考えているのかわからない」と感じ困ることがあります。そこでちょっと思い出してください、ストレスは体に出ること、心の不調や心の病の症状として眠られないとか、胃が痛いだけでなく、肩こりや腰痛など多くの、誰もが経験するようなちょっとしたコリやだるさ、痛みなどの不快感が現れることがあるのです。

そこで、ちょっとした肩や腰の疲れを題材にしませんか?たとえばいつもの「メンタルヘルス・セルフケア研修」ではなく、「男の肩を科学する~痛みとコリの人体解剖生理学~」とか?ちょっとふざけすぎですか・・・・。しかし、専門的で難しいことに興味を持たれる方は多いと思います。きちんとバイオメカニクスをお伝えし自身の身体への興味を高めていただくことは、メンタルヘルスケアに大変重要な最初の一歩「気づき」の醸成につながるのです。女性社員には、ストレートに「女性の肩こり解消講座~肩の荷おろして心かろやか~」「肩こり解消=姿勢美人」など、即効果が感じられ尚かつ「美」に直結させると好奇心は倍増するのではないでしょうか?

このように「マスキング効果」としてメンタルヘルス事業を展開するコツをお伝えしたのが、この2枚のpptでした。・・・・つづく・・・・・



梅田 陽子





【コラム更新一覧】