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梅田陽子のマインドボディ便り

更新日:2011.11.01(火)

【第21話】
学会発表

ご縁をいただき京都大学の職について数年後、周りの同じ非常勤の先生方は「学会」というもので発表し研究を重ねていることを知りました。

そこで学部の偉い先生に「私も学会とかできますか?」と恐る恐る尋ねたところ、「大変ですよ、難しいでしょうね。」と笑われてしまい、とても悲しく情けない思いをしました。30代半ばのことです。

他の非常勤の先生方は本部校というものがあります。すなわち別の大学の教授や准教授で、京大にはお手伝いに来られている方です。ですので私は本部校のない講師=自分の研究室がない研究基盤を持たない状況でした。

それからしばらくして病院で運動療法の依頼があり、数年後の「すわろビクス」のビデオ発表につながりました。

京大病院初の取り組みであったため注目を浴び、突然学会の運動療法の分科会で発表することになりました。そこですわろビクスを実演し、データーを発表し効果を説明しました。

その時、他に発表されていた研究は、今のメタボの原因とされている内臓脂肪のどのような物質がどのように働いて肥満につながるのかという分子構造の話でとても難しいものばかりでした。

一日中、首から「京都大学」と書かれたプレートを下げお医者さんや看護師さんなどに交じって、さもわかっているかのように難しい話を聴き続けるのは本当に辛かったです。しかし、さっぱりわからない話でも、とりあえず耐えて見聞きしていると少しずつ理解できることもあり、それを積み重ねるとなんとなく知識がついてくるものだということに徐々に気が付いてきました。

そうしているうちに、怖いもの知らずの芽が伸び始め、学会発表を自らするようになってきました。方法が分からないので見よう見まねで文章をまとめ、何度も練習し失敗も重ねてきました。

最初は同じくらいの年齢の方が隣にいましたが、年々同年代は偉くなり、どんどん追い越され、今年自律訓練学会に発表したとき並んでいる人はほとんどが年下でした。

そのような中、この10月に公衆衛生学会にてシンポジウムで発表するという光栄な機会をいただきました。査定され口頭やポスター発表の場が与えられるのではなく、シンポジウムは学会側から依頼を受けて、テーマに沿って研究成果を伝える役目になります。

運動指導分科会シンポジウムにて「身体から心へ」というテーマで、「運動指導の将来展望、健康運動指導士の立場から」というタイトルで発表させていただきました。これまで心身一如の健康づくりを提唱し、研究や実践を重ねてきたことを認めていただけたのだと思います。

これも、ともに歩み続けた仲間がいたからこそと思います。みなさま、本当にありがとうございます。また、この学会ではもう一つ、自由集会というものがあり、そこでも震災支援の活動を発表する機会が与えられました。

今後は、このような学会での発表内容を報告する場を設け、たくさんの方に情報をお届けしたいと思います。報告会情報はFacebookにて都度お知らせいたします。


梅田 陽子

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