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梅田陽子のマインドボディ便り
更新日:2014.08.10(日)
【第37話】
「りらほ」は働くみんなのため
こころの健康を身体からアプローチする
抗ストレス運動&リラクセーションプログラム
「りらほ」は、働く「みんな」のこころの健康を身体からアプローチする、抗ストレス運動&リラクセーションプログラムです。このプログラムの専門指導員は現在私を含めて5人。健康運動指導士などの運動の専門資格と、産業カウンセラーなどのメンタルヘルス資格を持ち合わせている、もしくは目指していることが特徴です。「りらほ」は産業メンタルヘルスに対応するプログラムとして開発されていますので、対象は「働く人たち」です。
この働く人たちとは、性別、職種、職務、また地位や雇用する側、される側に関わらずすべての方を指しています。
今、国の成長戦略では、女性の活躍に向けての施策が中核をなしており、女性の社会進出に追い風が吹いています。振り返ってみると、男女雇用均等法も1986年に施行されたので、まだまだ新しい法律ですし、因みに成人女性に参政権が与えられたのは1945年(昭和20年)ですから、現在の90歳以上の女性は選挙権が与えられなかった時代を生きておられたのです。そう考えると、女性が働くようになり、次に労働の平等がうたわれるようになり、そして今回の女性に対する成長戦略は、この短い数世代の間に起こったとても大きな変化であると言えるでしょう。
そこで注目したいのが、内閣府が6月17日に公表した「平成26年版男女共同参画白書」です。まだまだ女性の環境は、収入や雇用環境から見ても男性より低く、また男性と同様に常勤で働いていても、家事の時間は数倍多くのしかかっているという、女性に負担が強いられまだまだ均等とは言えない状況が見て取れます。しかし、しかしです!この白書には、「男性に比べて,女性の方が幸福度や生活満足度が高い。」また「男性の幸福度は、先進国の中で低いレベルにある」という結果が出ているのです。
現在男性の就業を取り巻く状況は、終身雇用や正規雇用は保証されるものではないなど、大きく変化しており,経済的な理由から女性が就業するという例が今後も増えていくことが考えられます。また、男女とも,女性の就業を肯定的に考える割合が増え、「主夫」「イクメン」などの言葉通り,性別役割分担に関する意識は男女差が徐々に見られなくなってきています。一方で,男女の両方において男性を主たる稼ぎ手であると考える傾向も見られ,特に若い世代に強いということがこの白書の調査から伺えるのです。
男女の雇用は均等であり、男性は、家事も育児も均等に分担することを求められる反面、男性は一家の主たる稼ぎ手として考えられているのです。
NHKの取材では、「幸福度の男女差」その差は、イラクやエジプトなど、男性が戦争や内戦で死と向き合う危険な状況にある国々よりも大きくなっている。いま、なぜ日本の男性は生きづらさを抱えているのか。取材を進めて見えてきたのは、社会の急激な構造変化の中で、古くからある「求められる男性像」と「現実」とのギャップに苦悩する男性たちの姿である。(NHKクローズアップ現代)という報告がなされています。
「りらほ」が単なる運動やリラクセーションプログラムではなく、こころに向けて構成されています。運動指導を長年続けている方は、どのように自身が動き、どのような言葉をかければ相手が動きやすいかを、経験から学び提供できるという優れた技術を培っています。この技術は大変高いものであり、相手の動きを見ただけでどこに問題があるかを認識し、それを修正するように言葉や動作から投げかけることができます。何より素晴らしい能力は、効果だけに焦点をおいたトレーニングを強いるのではなく、相手が心地よく感じ楽しめるように、雰囲気を感じ取りながら「場」を提供できることです。
この運動指導者に、メンタルヘルスの知識と技術、そして経験を重ねることにより、心身一如の健康づくりを提供できるプロフェッショナルとして働く人たちの中に入っていく、それが「りらほ」です。りらほの指導員たちは、医療従事者ではありませんので、現場で働く人たちに向けて治療を行うのではありませんし、何より心の病を発見するのでもありません。ストレスで押しつぶされそうになっている働く人たちに対して、動きを通じで自身の身体を感じさせ、身体の声を聴こえるように気づかせる。動かす方法を教示しながら、相手が発する声に耳を傾け「傾聴」し、その想いを受容し共感するという、運動しながら傾聴する心身両面からサポートできる専門家が「りらほ」の指導員です。
これからこの「りらほ」は、たくさんの方が、イキイキと働く力を得るきっかけになっていくことでしょう。私たちはその力を与えるのではなく、その力を自身で取戻そうとする、そのお手伝いをします。「りらほ指導員」を志す運動指導の専門家を心よりお待ちしております。
参考資料
平成26年版男女共同参画白書
http://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/h26/zentai/index.html
梅田 陽子
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