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梅田陽子のマインドボディ便り
更新日:2011.05.01(日)
【第17話】
東日本大地震
この度の東日本大地震により、亡くなられた方々のご冥福をお祈り申しあげますとともに、被災された方々やそのご家族、ご親族またご関係者の方々に、心よりお見舞い申しあげます。
日本中の多くの方が、「今、自分に何ができるか」と自問自答の日々を送り、できることから行動を起こしています。同様に私たちフィットネスや健康づくり関係者も、「思いを形にして協力したい」と願っており、既に動き出している方もたくさんおられます。
震災直後は、誰もがすぐにでも飛んでいきたいと思いました。しかし、今は専門家に任せる時だとはやる気持ちを抑え祈り続けました。
4月上旬現在、ボランティアセンターが立ち上がり、マンパワーが少しずつ被災地に役立てるようになってきています。しかしこのボランティアとはとても難しいことだと思います。もちろん何人いても足りないと現地からの声は聞こえてきます。
しかし、安易に向かい、結局足手まといになり、被災者を増やしただけの結果となったという阪神淡路大震災での教訓から、ボランティアの受け入れは慎重に行われています。確かにボランティアは自分のことは自分でできる精一杯の装備を持って、善意で一心に作業しています。しかしそれだけで本当に足りているのでしょうか?
今、少しずつ物資が届くようになり仮設住宅の槌音が聞こえ始めましたが、その反面、前に進めないことや逆に後退していると感じ辛い思いを募らせる方も多くおられます。
被災した土地に立ち人々と接するということとは、それこそ一生に関わる「覚悟」をもって向かうことではないでしょうか。被災地でボランティアとして作業するということは、自分自身の心の準備をきちんとしてから関わることだと思うのです。
しかしその一方で、このように理由づけをしているだけで、一歩も進んでいない自分がいるのも事実です。現実問題として泥まみれの被災地は広大し、その泥はだんだん固まってきています。
心構えをしているうちに、時間はどんどん過ぎてしまいます。覚悟と言われても、主観的なものでどこまでが覚悟と言えるのか良くわかりません。勢いで現地に入れば未熟な余り迷惑をかけるかもしれない、でもそれ以上に役に立てればいいのではないか?そのような意見を否定できません。
阪神淡路大震災のフラッシュバックで嘔吐を重ねるボランティア。被災地で自分の食料を分けようとして「君が倒れてどうするのだ」と制止された医療スタッフ。「瓦礫を撤去します」と安易に言って「それは思い出の山です」と返されたボランティア。被災地から戻り、PTSDに苦しむ元ボランティアの対応に苦慮する臨床心理士。
この現実の中に飛び込む覚悟があるか?それを今一度確かめる必要があると思います。
被災地に向かおうとしている方へ、もし被災者から「あなたも被災者ですよね?」と尋ねられたらどう答えますか?
「すみません、私も被災者でなくて・・・」もしこの答えが直ぐに出るのであれば、今行くのは考え直しませんか?深呼吸をしてもう一度、考えましょう。
「自分は何者で、何のためにここに居るのか」その芯の部分がはっきりとしていることが大事です。それが明確であったならぶれずに、そして臨機応変に応えられると思います。これが被災地が必要としているボランティアスタッフなのだと思います。
梅田 陽子
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